子供の運動会
いつもなら楽しみに見ていたはずの運動会。子供の成長を実感できる大切なイベントです。
しかし、今年の運動会は今までで最悪の運動会となりました・・・。
運動会の前日
妻が出て行って数日後、子供の運動会を明日に控えていましたが私は迷っていました。
果たして、子供の運動会には行ってよいものなのか・・・。
妻は出て行ってから、離婚をするために必要な言葉しか私に言ってきません。
私は必死に妻に対して謝罪の言葉を重ねてきました。
しかし、結果は何も変わらず・・・。
そんな状況の中訪れた子供の運動会。
その前日意を決して私は仕事後に妻の実家に行き、手紙を投函してきました。
その内容は、妻に対しての謝罪と、これまでの感謝の意。そしてこれからより良い夫・父をしていく決意。最後に明日の運動会のこと・・・。
妻からは一言だけ。
「あなたと運動会を見る気はないので、来たいのであれば勝手に来てください」
これを見たときに、胃がキューッとなった事を覚えています。
返事が来たことへのうれしさ
子供に会えることのうれしさ
妻の気配りなんぞ微塵も無い冷たい返事への辛さ
改めて家族再構築の難しさ 等々 様々な感情が一気に沸きあがったせいだと思います。
そして運動会当日
例年の妻なら、観覧席の最前列を取るために早い時間に行くはずだ。
そう思い、あえて開場の時間の少し後に行きました。
予想通り、妻は下の子を抱っこし最前列にレジャーシートを引いて待機していました。
私はその何列も後ろの立ち見席となり、遠くから久しぶりに見る妻の後ろ姿と、抱っこされた下の子を黙って見つめていました・・・。
しばらくすると、下の子が飽きてきたのか動きだし、横や後ろをキョロキョロし出したところ、私と目が合いました。
私は妻にバレたく無かったのでニコッと静かに笑い、心の中でわが子に「元気か?」と問いかける事で精一杯でした・・・。
下の子は私の顔を見るなり、目を丸くして、その後ニコッと笑ってくれました。
私は涙をこらえるのに必死でした。
ついこないだまで好きなだけ抱っこが出来、わが子の声も聞けていたのに・・・。
たった数日会えなかっただけでこんな気持ちになるなんて、と。
運動会 震える手でスマホを持ち・・・
そして、運動会が始まりました。
子供の演目はプログラム2番、3番くらいだったのですぐにやってきました。
去年は泣いて妻と一緒に演目をやった子供が、今年は一人で行進をしています。
たった1年で子供はものすごく成長するものだと関心し、そして目の前が涙でぐしゃぐしゃになりました。
立見席の私の両隣には、祖父母が多く、また子供のパパ友、ママ友も近くにおりました。「決して泣いているのを見られてはいけない・・・・」と思っていても涙は止まりません。
私は今まで、どんなに辛い事があっても、人の前では泣かない人間でした。
それが、こうもボロボロ泣いてしまうなんて・・・。
子供の演目はかけっこでした。
震える手でスマホをしっかりと握りしめ、録画の準備をします。
「よーい、ドン!!」
ダーっと子供たちが走ります!!
「がんばれ!!!!」と心の中で応援しました。
涙があふれ、もはや録画どころではありません。
子供の演目が終わり、退場する頃には子供は私に気がついたようです。
下の子同様、目を丸くした後ニコッと笑い、必死に手を振ってくれました。
ぐしゃぐしゃの笑顔で子供に手を振っていたと思います。
妻はその子供の反応を見て、恐らく私がいる事を察知していたでしょう。
しかし、決して後ろは振り返らず、妻の硬い決意を感じました。
そして、私は子供の演目が終わったと同時に、サッと会場を後にしました。
帰宅後・・・
実はこの日、私は急遽仕事のお休みを頂いていたので、
子供の運動会が全て終わった後に家で話をしよう、という約束をしていたのです。
一人で帰宅し、妻と子どもたちが来るまでおよそ1時間はあるかと思います。
その間、飲み物を買いに行ったり、少し部屋を掃除したり、妻と何から話すべきか等考えていました。
でもその前に、トイレに入り声を上げて泣いていました・・・。
これでもかってくらいに声を上げ泣きました。
こんなに泣いたのはいつ以来だろう・・・。
泣くと少しだけスッキリしました。